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監修/墨岡 孝(成城墨岡クリニック理事長・院長)
漫画/藤臣 柊子

ストレスの多い現代社会では、誰もが「うつ病」になる可能性があります。
一方、「なりやすい性格」というものもあるようです。
ストレスを感じたときは、自分流への強いこだわりから自分を解放することも大切です。





〈精神面に現われる症状〉
落ち込み、もの悲しい、不安
焦燥感やイライラで落ち着かない
気力の減退
不眠(寝つきが悪くなる、早朝覚醒)、あるいは過眠
趣味や興味をもっていたことへの関心・喜びの喪失
性的な関心・欲求の低下
集中力の低下
決断力・判断力の低下
強い罪責感  
             …など

〈身体面の症状〉
倦怠感
食欲不振、あるいは食欲の増加
頭痛・頭が重い感じ
肩こりや腰痛など、節々の痛み
胃痛、あるいは下痢、便秘  
             …など
 日常生活には、つらいことや嫌なこともあります。そんなとき、人は緊張したり、イライラしたり、落ち込んだりしますが、私たちの心には、そうした気分をはね返し、よりよい生き方を求めるエネルギーがあります。
 ところが、過剰なストレスにさらされていると、“心のエネルギー”が枯渇してしまい、落ち込みやイライラ、意欲の減退などといった症状が現われることがあります。この症状が継続している状態が、いわゆる「うつ病」です。前述のような、精神面の変化のほかに、食欲不振や頭痛といった、身体面の症状が現われることもあります。

 職場では責任感が強く、几帳面で勤勉。対人関係では誠実で権威や序列を重んじ、道徳心が高い…。
 こんな人はストレスを感じやすく、うつ病になりやすいといわれています。また、自分に自信がもてず、悲観的に考える傾向がある人も、うつ病になりやすいといえます。
 しかし、性格だけでうつ病になるわけではありません。最近の精神医学では、性格そのものではなく、性格と環境の相互作用によって、なりやすさが決まると考えられています。
 たとえば、目標を達成する意欲の高い人は、仕事がうまくいかないと落ち込みます。人間関係を重んじる人は、人間関係のトラブルがあると憂うつになります。つまり、何らかの状況下で、その性格傾向が柔軟な対応の足かせとなる場合にストレスは高まり、うつ病になりやすくなるのです。


 うつ病になりやすい性格だからといって、それを否定的にとらえる必要はありません。責任感が強く、几帳面であることは、周囲から信頼を得る要素です。悲観的に考える傾向は、慎重にことを運ぶことができるというメリットにもなります。
 ただし、「何かうまくいっていない」と感じたときは、自分流へのこだわりを捨て、現実的な判断から直面している問題を解決することが大切です。その際は、家族や友人、職場の仲間の意見を聞くなどするとよいでしょう。また、心がつらくなったときは、早めに心の専門医に相談を。





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